「紀州健太郎と御主人様」
                                        作者:どわちゃん(ベガ)

 僕の名前は紀州健太郎。健康な紀州犬に育って欲しいから付けたらしいけど本当かな。
適当に太郎・花子とか名前をつける人がいるから、その部類に入るのかなぁと不安がある
んです。僕の飼い主は「どわちゃん」っていうんだ。どっちが飼い主か分からないけど、僕が
居ないとすぐ寝ちゃってダメみたい。この前も海賊島で狩りしてたら寝ちゃって危なかったん
だよ。リザードマンにぼこぼこにされた後に起きてきて「おはよ〜眠いからまた寝るね」と、こんな感じに寝ちゃった。いつもぐうたらなご主人様なんだけど時には・・・ないないw。いつも通り寝ちゃって僕が代わりに狩りをして経験値やアデナを稼いでいる。これじゃこっちが保護者役かな。まだまだ頼りない、ん〜ぜんぜん頼りにしてない御主人様だけど、あるきっかけで一生ついて行くって僕は決めたんだです。
 どわちゃんのお父さんは「どわっち」というこれまた優しいナイトで、今はお空の向こうに居るよ。いうなればどわちゃんは2代目の飼い主ってことになる。僕がレベル20くらいの時にどわちゃんはまだよちよち歩きで、僕がペロペロしてあやしたよ。どわっちは勇敢でどんどん突進して行ったよ。僕はついて行くのがやっとで、よく助けられました。いっぱい戦って傷ついているお父さんを心配するはずなのに御主人様は心配もせずに寝てた。あちゃーここでも御主人様は寝てる人だったんだ。どわっちはソファーに腰掛けて、どわちゃんの寝顔を見るのがとっても嬉しそうだった。とても怖い形相で戦っている人とは思えない程は家、に帰ると穏やかな顔になっています。傷口は痛いはずなのに一回も苦しそうな顔を見せたことがないんです。僕はこの人は痛みを感じないんじゃないかって思ったくらい。
 ある日、ギランで戦争が起こるって便箋が来たよ。どわっちはいつもより時間をかけて装備の手入れをしてた。血糊が付いちゃうと剣が切れなくなっちゃうらしい。どわっちは常々人殺しはしたくないって行ってた。戦争に行ってる間にグルーディン村が焼かれた事件があった。どわちゃんのお母さんは争いに巻き込まれて死んじゃった。。お母さんは死に際にどわちゃんと僕を両腕で包み込んだまま、笑顔でこう言ったんだ。

お母さん「どわちゃんといつまでも友達でいてね」

僕はその笑顔は忘れない。


それから何日が経ち戦争からどわっちが戻ってきた。

どわっちは落胆しきった表情でお墓の前に立っていた。

どわっち「・・・」歯をくいしばり、血がにじんでいる。

拳を強く握りしめていた、息子の手をつないでいるのも忘れて。

よちよちしながらもどわちゃんは僕の所へ来て、顔を両手挟んで撫でながら


「僕が大きくなったらお父さんを守るから、強くなるまで待っててね。」


穏やかな御主人様の顔。

そして、どわちゃんはお墓の近くまで歩いてそのまま横になって寝ちゃった。それから、どわっちは家に帰ったら鬼の形相は一切表に出さず、いつも穏やかにどわちゃんの寝顔を見てた。どわちゃんが10歳になった頃、どわっちは戦争で帰らない人となった・・・

どわっちは息子の寝顔を見るのが好きだった。強くなるか分からないぐうたら御主人様だけど、僕はどわちゃんの事が大好きです。